君との距離は1メートル 【完】
お昼まで一緒に回って、それからは私達も仕事があるから光君たちと分かれた。
「なんか短いよね〜。一日中フリーで回りたいわー」
「無理に決まってるじゃん。どっかのテーマパークじゃあるまいし」
奏子のしょうもない願望にズバッとツッコミを入れてクラスに入る。
「あ〜〜!!きたー!」
午前中、私の持ち場を担当していた宏香ちゃんが私を見つけるやいならとんできた。
「ちょっ、なに?!」
袖を掴まれてグイグイ引っ張られる。
危ないんですけど?!
「いいからーーー!!はやくしてー!」
焦り気味の声でズンズン迷路の中を突き進んで行くと、
「はい!変わって変わって!!」
私の持ち場まで案内された。
ポカーンとしたまま宏香ちゃんを見つめる。
「私彼氏と回るから待たせてるの〜。ごめんね?あとお願いっ!」
「ぅ、うぇっ?!」
クイズの書かれた段ボールを押し付けられ宏香ちゃんは光の速さで教室の迷路をくぐり抜けていった。
…まぁ、いいけど。
どうせ交代の時間だったしね。