君との距離は1メートル 【完】
いたずらっぽく笑う誠の肩をバシッと叩く。
「まぁ、まぁ、ちゃんとさっきまで持ち場いたし今は園田がいるから」
園田というのは野球部の園田君の事。
クラスでよく誠と一緒にいるから私もすぐ覚えた。
「園田君に任せちゃダメでしょ〜。さぁ、戻った戻った」
「え?お、おい!」
私は誠の背中を押して無理やり持ち場に戻させた。
「まったく…」
そう呟いて私も持ち場に置いてある椅子に腰かけた。
しばらくしても、お客さんはまばらで数人ずつしかやってこない。
「暇だよなー…」
ついつい独り言も多くなる。