君との距離は1メートル 【完】





…クスクス…




え?笑い声?





椅子に寄り掛かるのを止めて周りを見渡す。



今確かにクスクスと笑う声がした。



やだっ!不気味!!






「そんな怖がらないでよ」




どこからか聞こえてくる声。



まるで私の様子を見ているかのように楽しそうな声で言う。


この声は間違いなく…











「もー…光君?」






私は声のした方を睨んで光君の名前を呼んだ。





「あったりー」





段ボールの陰からひょこっと顔を出した光君。




「よくわかったね?」




少し驚いた顔をして、こっちに歩いてきた。



「そりゃあ、毎日聞いてるからね!」





忘れたくても忘れられない声だし。





ふ〜ん、と興味なさげに言うと



突然光君はニヤリと口角を上げた。




「さっき暇〜とか言ってたでしょ?
口開けて間抜け面してたよ?」




「えっ?!口?!」




そんなとこ見られてたの?



恥ずかしい〜〜〜〜〜!!







「はは、顔真っ赤」




意地悪そうな顔で笑いながらそう言う光君を軽く睨む。





「間抜け面とか見ても言わないでよ〜」




「あ、ああ、ごめーん」




軽い!!!




ほんのりと紅くなった頰をした光君は目をさまよわせた。



ここ暑いかな?



「ここ暑い?ほっぺあかいよ?」




「あ、あー!ちょっと暑いかなー?」




やっぱり暑いか!!段ボールばっかだし暖房なぜかついてるし。






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