君との距離は1メートル 【完】
「空調調節できないみたいだから、暑いなら出た方がいいよ」
パタパタと頬を手であおぐ光君に言うが光君は首を横に振った。
「大丈夫だよ。暇だろ?もう少し話そーぜ」
「…どうせ帰ってからでも話せるのに?」
帰ればまた話せる。
それでも今話すことが出来るのは、私との時間を作ってくれてることは…
きゅーーーっと胸が締め付けられる。
期待はしない。けど
少しは近い存在に、特別な友達位には見てくれてるのかな…?
「なんか言った?」
光君はキョトンとした顔で私を見る。
さっきの問いかけはきっと声が小さすぎて聞こえなかったんだ。
むしろ聞こえてなくてよかった。
何を言われるかわかったもんじゃない。
「なんでもない!話そ話そ!!」
私は無理やり光君の背中を押して隣の席に座らせた。
文化祭の事を主に、ほとんど食べた物の話になってしまったが光君は楽しそうに笑ってくれた。
私は自然と笑みがこぼれていた。
今までにないくらい幸せな想い。