君との距離は1メートル 【完】
実際の距離はたった1メートルだけど、
君との心の距離はどの位あるんだろう?
遠すぎず、近すぎず…そんな距離感がもどかしい。
その距離を縮めるのも、広げるのも全ては告白にかかってくる。
簡単に終わらせたくないんだ。
ちゃんと気持ちを告いたい。好きと伝えたい。
俺は壁にかかっているカレンダーを見上げる。
来月は、クリスマスがある…。
その日に告白をしようか。
初めてする告白は今からドキドキする。
どうなるか分からない、期待と不安の入り混じった不思議な気持ち。
杏奈は…、誠が好きなのかな?
ふと思い浮かぶ誠の顔。
杏奈を思い出す時は必ず誠の事も思い出す。
誠の杏奈を見る目。優しい目をしているんだ。
俺たちといる時とは明らかに違う。
恋をすると人の表情はこんなに変わるのか、と驚くぐらい違う。
もしかしたら俺もかもしれないけど。