君との距離は1メートル 【完】
「あ、夕方は本当ごめん。いい気しなかったよね」
「ああ、別にいいよ」
まだ気にしてたの?と笑って言ってくれるから安心した。
それにしても、まさか最初の友達が男の子になるとは思ってもいなかった。
しかもよく見ると池田くんってイケメンだ。外見も爽やかそうだけど中身まであっさり…いや、爽やかだ。
「池田くんは、林丘なんだね?」
「うん。笹野さんは?」
「あたしは青葉だよ。吹奏楽やりたくて」
最初にできた友達と違う高校だと、少し残念だが仕方ない。
私が吹奏楽、と言うと池田くんは目を丸くした。
「吹奏楽やってんだー!俺はサッカー部なんだ。たまにうちの学校の吹奏楽部の音が聞こえんだよね。ランニング中に」
池田くんとそれから色々話して気づいたけど、私の話しに合わせてくれるだけじゃなくて、盛り上げてくれてる。
それが自然にできているから凄い。
「池田くん、絶対モテるよね!」
あはは、と笑う池田くんがいきなりゔっという声を出した。
「別にモテないんですけど。なんで?」
口を尖らせる池田くん。
「だってフツーにかっこいいし、性格だっていい人じゃん?人気者でしょ?!」
多分池田くん自体こんなに突っ込んでくる女の子見たことないんじゃないだろうか。