君との距離は1メートル 【完】
それから学校での記憶はあんまりなくって。
今奏子と下校中にいたる。
「ーーでね、本当美味しいの!
…って杏奈きいてる?!」
「ぅえっ?!」
肩に凄い衝撃が走ってやっと我に帰る。
私の肩を叩いた奏子の方を見ると心配そうな顔でこっちをみている。
「ねぇ、杏奈今日大丈夫?ずっとぼーっとしててさ、今も私の話し聞いてなかったでしょ?」
「ごめん…」
私がシュンとしてると慌てたように奏子が手をブンブン振った。
「いや、怒ってる訳じゃなくて心配してるのよ?!」
奏子はそう言うと今度は優しい顔でコッチを見てきた。
「何か相談事あるなら言って?」
私は奏子の目をジッと見つめる。
相談…していいの?奏子は愛巳を応援しようとしてるのに私が光君の事が好きなんて言って困らせるだけじゃない?