君との距離は1メートル 【完】
「どうして?どうして諦めるの?」
キッとこちらを睨む奏子。
まさか睨まれるなんて思ってなかったから体が固まってしまった。
「おかしいよ!好きなら堂々としてればいいじゃん!
今更光君の事好きなんて愛巳や杏奈だけじゃないんだよ?愛巳や他の誰かが良いのに杏奈が駄目なんてことないんだよ?!」
あまりの気迫に私はただ呆然と見ているしかない。
「好きなら大切にしてよ。その気持ちを…。諦めないで。自分に嘘はつかないで…」
「か、奏子?大丈夫?」
消えていく声に心配になってうつむく奏子の顔を覗き込む。
「私も、光君が好きだったの…」