君との距離は1メートル 【完】
「友達を思って伝えられもせずに消える恋心が1番可哀想なの。
杏奈は素直に恋をしていいの。でもね」
そう言うと奏子は涙をぬぐって真剣な目で見つめてきた。
「愛巳にも話さなきゃだめ。自分の気持ちを正直に話して愛巳にも分かってもらわなきゃ。そしたらー」
さっきまでの真剣な表情はどこえやら。
奏子はふんわりとした表情で笑って私の手を握ってきた。
「ライバルだけど、もう杏奈も苦しくなくなるんだから」
ね?と笑いかける奏子にうん、と私は頷き返す。
大好きなのは愛巳も光君も奏子もみんなだから。
大切な人には正直にならなきゃ。
私は素直に、正直に、光君と愛巳に気持ちを伝えればいいのかなー?