君との距離は1メートル 【完】
「何か悩んでいるなら相談してごらん?
そんなんでやられても私が月謝泥棒になるだけなんてごめんだし」
先生はそっけなくそう言いながら私の前に椅子を置いて腰を下ろす。
なんだかんだ言って、話しは聞いてくれるんだ…。
光君の事…相談していいかな?年も近いから恋愛の事とか相談したらいいアドバイスくれるかな?
あれこれ考えてるうちにヒュッと何かが目の前をかすめた。
「で?なんなの?」
はっと美春先生を見るとかすめたのは美春先生の手のようだ。
しまった…。ぼーっとしてた。
「そのぉ、私好きな人が居るんですけど…」
「なんだ、色恋沙汰か」
美春先生は一瞬眉を寄せて嫌そうな顔をしが、続けてと先を促した。
「私の友達と好きな人が同じで、打ち明けようとしてるんですけど何てきりだそうかなって…」
話しているうちにカァッと顔が赤くなっていくのが分かる。
あっつい!!!
「はぁ?そんなの私の好きな人あんたと同じってストレートに言えば?」
バッサリした口調で美春先生が爪をいじりながら言う。
「遠回しに言うよりさっさと言ったほーが楽だって。自分と相手のためにも」