君との距離は1メートル 【完】
!!!
「愛巳っ?!」
すれ違ったポニーテールの女の子を呼ぶ。
「杏奈?」
やっぱり!!愛巳の声だ!
すれ違った時に見覚えのある横顔だと思ったから…。
愛巳はこっちに向かって坂を上ってくる。
ピンク色のジャージを来てイヤホンを耳にしている。
やっぱりランニング中だったみたい。
「杏奈、フルート教室からの帰り?」
「うん。そおなんだけど、集中してないからって帰らされちゃった」
えへへ、と苦笑して頭を掻く。
「へえ!珍しい。杏奈が集中してないなんてどうかしたの?」
愛巳は目を丸くさせて首をかしげる。
はっ!
もしかして…今がチャンスなのかな?
愛巳に話すなら、今しかないんじゃ…。