君との距離は1メートル 【完】
素敵な日曜日 杏奈side
ピピピピ、ピピピピ
バチン!!!!!
朝の7時半を告げる目覚ましを平手打ちで止める。
一体これでいくつ時計を壊しただろうか。
昨日は下の和室でお母さん達と寝て、8時の引越し屋さんのトラックに備えて7時に起きようとしたが全く起きれず現在7時31分。
「杏奈!!!いい加減起きて!!!」
お母さんの怒鳴り声が聞こえる。
仕方なく起きて昨日の服に着替える。
「おはよう〜」
寝ぼけながらリビングに行き朝ごはんを食べるお母さんたちに挨拶した。
「もう。言わないと起きないんだから…全く…」
ブツブツ文句を言うお母さんはほって置いて顔を洗いに洗面所に行く。
あ、部屋の事言ってない。
「お母さん!お父さん!部屋をやっぱりベランダの方にしたいの!」
「え、いいけど、どうして?」
熱烈な私にビックリしているお母さんはパンをかじりながら聞いてきた。
「あ、昨日のベランダ行ったら星が凄い綺麗だからいいな〜って」
半分本当、半分嘘だけど。
「分かったわ。あ、荷物は自分でちゃんと整理してね。タンスとか重いものないんだから。自分でなんとかしてよ」