君との距離は1メートル 【完】
「え、愛巳?!ちょ、まって!」
スタスタと歩く愛巳を急いで追いかける私と奏子。
怒ってる…?のかな?
ちらっと奏子と目配せすると、奏子は首を傾げて肩をすくめた。
「だいたい、一目惚れなんて理由で告白なんておかしい。
だって、あの人と私で性格が、相性が違ったら付き合う意味だってないのに」
愛巳はスタスタ歩きながら怒った口調で話す。
「そもそもね?しつこいんだよね?
ごめんなさいって言ってるのにどうしても?って何度も何度も…
なんで私が頭下げて謝らなきゃいけないんだって思っちゃうんだよね」
ぶちまける愛巳だけど、そんなの経験した事がないからふむふむと聞くことしかできない。
モテる女の特権…?なんつって。
そんな事愛巳に言ったら怒られちゃう。
「そう怒んないでよ愛巳。一目惚れだって好きって気持ちには変わらないはずだよ。
気持ちがあるだけいいと思うけど」
サバサバとした口調で愛巳をなだめる奏子。
気持ちがあるだけ…
それは、光君に抱いていた気持ちがなくなった事と重ねているのかな?