君との距離は1メートル 【完】






「あら?今日は調子いいのね」








今は美春先生のレッスンを受けてる最中。




先生は膝の上にフルートを置いておっきい目をパチパチと瞬いた。



「そ、うですか?」




確かに、前よりもフルートが響くようになった気がするけど…。



「なに〜?何か良いことあった〜?」




美春先生はニヤニヤとした顔でずいっと顔を近づけた。





わぁ、顔ちっさ…。





「ああ、えと、今日ウィーンの楽団のチケットもらって…」





いいことっていったらそれぐらいしか思いつかないと思うんだけど…。




「あら、そうなの?ウィーンだったら私もいくわよ」




「え?!そうなんですか!」




美春先生もいくんだ!!





「もしかしたら会えるかもね」




美春先生はふふっと笑うとお茶に手を伸ばした。



「でも、音が良くなったのはその理由だけじゃなさそうね」




美春先生はちらっと私を見るとにこりと笑った。






「ちゃんと言えたんでしょう?

友達に自分の気持ちを」




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