君との距離は1メートル 【完】
「うん!」
あ、そういえば…
「光君結局みじん切りできなかったよね」
くすくすと笑うと、ムウっとした表情に光君はなって口を尖らせた。
「だって、中学の家庭科の時以来みじん切りなんてやってないしー」
ボソボソと言い訳をする光君が面白いのと可愛いのとで、笑いが止まらない。
「ふはっ!だって!やり方おかしいもん!」
料理をしてるとき
光君がいきなりダンタンダンダン!!!と凄い音で包丁を連打し始めたのだ。
「ひ、光君?!何してんの?!」
急いで光君の手を止めさせて細かくなりすぎた人参をみる。
「何って…みじん切り?」
「みじん切りはこんなやり方しません!」
結局、包丁で野菜を切るのは私がやったけど…あれは驚いた。
「もう、台所ぶっ壊すのかと思ったよ」
「そこまでじゃないだろー?!」
頰が赤くなってちょっと怒りながらまたスパゲッティを食べ始める光君。
「ふふ、私も食べちゃお」
楽しい夕食を食べ終わり、お皿を台所に戻す。
「杏奈ー、これどこ?」
光君がお皿をもったまま食器棚の周りをキョロキョロ見ている。