君との距離は1メートル 【完】
トラックの助手席の方からの女の従業員が出てきて笹野さんの家の玄関に向かって行った。
これから荷物。運び入れるのか…。
ふと隣の部屋を見るとまだ空っぽで全く生活習慣のある部屋ではない。
昨日、笹野さんに部屋は隣か聞いたのに、秘密と言われてしまった。
丸い目で暗かったから分からないがおそらく真っ黒い髪。長さは胸ぐらいのところで切りそろえられている。
本当に普通の子だなっていう印象だった。そのせいか、割と何でも言うからギャップが凄い。
いい子だったな〜…と考えてると、下がまた騒がしくなっていた。
おっと、着替えないと。パジャマ姿なんかもし笹野さんに見られたら恥ずかしすぎてもう会えない。
俺はもう一度カーテンを閉めて着替え始めた。
ジーパンにシャツというラフな格好に着替えてもう一度カーテンを開ける。
そこには、さっきまで空っぽだった隣の部屋は段ボールやら人やらでごったがえしていた。
ちょうど今段ボールとかが運び込まれているんだろう。