君との距離は1メートル 【完】

光 side





あぁ。





やってしまった。





「はぁぁぁぁ……」





杏奈から逃げて部屋に戻ってベッドにダイブする。




やってしまった。つい怒ってしまった。




なんでだよ…。毎日会わなくてもって、今まで変わらずあってたのに。




急に断るって…誰かに見られるのがまずいから?


それは好きな奴じゃないの?




「まじかよぉ」




枕に顔を押し付ける。




好きな奴って誠?いや、まだ好きな奴がいるってわかったわけじゃないけど。





杏奈は誤解だなんて言ってたけど、急に断るっていうなら何か理由があるに決まってる。




一気に失恋した気分だ。





しかも親がいなくなった1日目からこんな険悪な感じになって。のこりの3日間どうする?





俺は諦めるしかないのか?





告白する勇気も少しの膨らみがあっても一気に潰れてしまっては意味はない。






俺はダメなんだ。杏奈のそばにはいられないって事だろ?





きっと杏奈の隣には誠がいるべきなんだ。



もう会うのはやめよう。杏奈を想う事も。ただ苦しむだけだ。



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