君との距離は1メートル 【完】
従業員が最後の1人になったところで笹野さんが見えた。こっちには気づいてないみたいだ。
笹野さんは一つ段ボール箱を持つと少し移動して何やら作業し始めた。
きっと机とかに教科書ならべてるんだろうな。
それから少したって、もう一つ段ボール箱を取りに来たのがみえた。
こっからでもうんざりしている顔が分かる。
流石に…手伝うのはやめた方がいいかな…?
まだ知り合ったばっかりなのにそれは失礼だろうか。
とりあえず俺はベランダに出てヘリのとこに足をかけた。
昨日と同じように。
トンッと隣の部屋のベランダに着地する。
ちらっと部屋を覗くと、机に筆記用具や小物を並べる笹野さんが見えた。集中してるようで俺には気づいてない。