君との距離は1メートル 【完】
食べ終わって部屋に戻ってしまっているカーテンを少しだけ開けてみる。
あ、電気ついてる。
どうしようか…。
ベランダを越えていくべき?
でも昨日もうやめようといわれたし…。
窓の前で突っ立ったまま数分。
よし!!行く!!!
窓を開けて外に出た。
風が冷たい…。
いつも通り1メートルの距離を飛び越えて向こう側へ行く。
大丈夫。落ち着くんだ。
心臓の鼓動がはやくなるのを感じながら深呼吸して落ち着ける。
コンコン、と窓を叩く。
開けてくれるかな…。心配になりながら一歩下がって杏奈が出てくるのを待つ。
ガラッと窓の開く音がしてすかさず顔を上げる。
「あ、杏奈?」
そっと声をかけて杏奈が出てくるのを待つ。
「光君、どうしたの?」
スッと現れた杏奈はこっちを冷たい目で見てきた。
部屋からは出ようともせずこっちと距離を取ってるみたいだ。