君との距離は1メートル 【完】




告白とか、そういう問題じゃない。




友達としてもいられないってことじゃん。





「…光君には分からない理由があるんだよ」





え?




ポツリと呟かれた言葉に杏奈に視線を戻す。




「なっ、杏奈?!」





昨日みたいに涙を沢山流して辛そうな顔をしている杏奈。




「ごめんね、ごめんね…!違うの。光君の事嫌いなんかじゃないんだよ。

でもね、ごめんね」



涙をぬぐいながら謝ってくる。




「俺には分からない理由ってなんだよ…。嫌いじゃないならなんで謝るんだよ…」





納得できない。出来るわけない。




「杏奈…ちゃんと聞いて」




手を伸ばして部屋の中にいる杏奈の肩を掴んだ。




「…うん」



「あっ?えっ?!」




杏奈は目をつぶってこっちに倒れかかってきた。



いきなりすぎてよろけ倒れそうになるのをこらえてそのまま杏奈を受け止めた。




「光君…」




優しい声で呼ばれたけど返事は出来なかった。




倒れかかってきた杏奈は腕を俺の背中に回して顔を俺の胸に埋めてきたから。



それからぎゅっと体が優しく締め付けられて抱きしめられているんだと分かった。




「えっ?!杏奈?!」



突然すぎて頭がついていかない。


ドキドキとなる鼓動がばれてないか心配だった。




どういうこと?!




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