君との距離は1メートル 【完】
さて、どうしよう。
窓を叩いてみて気づいてもらおうか。
それともこのまま気づかれるまで笹野さんを見ているか…。
後者はないな。と思いまた別の事を考える。
流石にずっと見てるのは気持ち悪いだろう。ただのストーカーだ。
しかし、他にいい案がないため窓を叩こうと決意した。
コンコン
窓の硬い音がする。
ぱっとこっちを向いた笹野さんは目を丸くしていた。
いかにもびっくりしてますって顔だ。
俺は部屋にいる笹野さんに手を振って「あけて?」と口パクで伝える。
一瞬だけキョトンとした笹野さんだけど、すぐに意味を理解してくれたようで笑顔でこっちまで来てくれた。