君との距離は1メートル 【完】
「で?どういうことなのかな?」
「あーー…えーと」
奏子と愛巳にじっと見られて思わず目をそらす。
「ちゃんと!答えて!」
ガシッと強く愛巳に肩を掴まれた。
「は、はい…」
いつもに増して怖いよーー!!
「その、もう光君はの事はいいかなって思ってて〜」
「「はぁ?!!!」」
奏子と愛巳がハモって声を荒げた。
えっ?!なんで?!?!
「なんでそうなるの?!もう好きじゃないの?」
奏子が慌てた様子で聞いてくる。
「もしかしてだけど…」
その隣で落ち着いた声で話し出した愛巳。
「私のためを思って光の事を諦めようとか思ってない?」
え、図星っ!
でも、バレたらダメだ。
「だから違うって〜!本当にもう好きじゃないんだもーん」
手をブンブン振って笑い飛ばす。
きっとばれてないよね?大丈夫だよね??
「…そう」
愛巳はそれだけ言うと目を伏せた。
「わ、たし…」
愛巳が震える声で呟いた。
「いや、なんでもないっ!」
ブンブンと首を振って言うのを止めてしまった。
何を言おうとしたのかな…?
「ごめん、なんでもないの…」
少し苦しそうな顔でそう言ったきり口をつぐんでしまった。