君との距離は1メートル 【完】
「じゃあ、またね〜!」
ホームルームが終わって皆んなが教室から出て行く。
「いきますか、杏奈さん」
「そーですねっ!」
奏子とこのままカフェに行くため早く教室から出ようとリュックを背負った。
「よしっ!行こ、って、わあ!」
グイッと手を後ろに引っ張られて体勢が大きく傾いた。
やばっ、後ろに倒れる!!
頭をぶつけないように思いっきり顎を引いたけど
「あっぶね〜」
体は床よりもっと柔らかいものにあたって全く痛くなかった。
この声はー
「ま、誠?」
「うん、いきなり引っ張って悪かったわ」
上を見上げると誠の目と目があった。
私は誠に寄りかかったんだ。
「ご、ごめん!」
急いで誠から離れる。
あー、ビックリした!
「いや、俺の方がごめん!そんなに強くないかと思って」
誠が申し訳なさそうに頭を掻く。
「いやいや!大丈夫だったから!それでどうかした?」
勿論何か用があるんだろうけど。