君との距離は1メートル 【完】
それから2人でカフェに入り最近お気に入りのカフェラテを注文した。
「でも、本当に光君のこと諦められたの?」
注文し終わると唐突に奏子が聞いてきた。
その口調は責めてるわけでもないけど、どこか疑わしく聞いてるみたいだ。
「うん。ちゃんと諦められたよ。
だから愛巳の応援をこれからは2人でしようね」
自分で応援しようと言った時に、胸がズキズキと痛み始めた。
知らない。こんな痛み知らない。
私は大丈夫だから。
なんでもないから。
「本当に?愛巳には言わないから。本当の事言ってよ?」
奏子は心配そうな目で優しく言った。
そんな優しくされたら…私…
「うっ、うぅ…うぅっー」
どうしてか、自然と涙が溢れ出てきた。
お店の中でも関係ない。
どうしてこんなに苦しかったの?
どうしてこんなに悲しかったの?
「うん。ほら、そんな事だと思ってたよ」
向かいの奏子が優しく頭を撫でてくれて余計涙が溢れる。
自分に問いかけたら答えは全部返ってくる。
本当は分かってたの。
でも、ずっと否定してないものにしたかったの。
でも出来ない。
だって
私はまだ、光君が好きなままだから。