君との距離は1メートル 【完】





それから2人でカフェに入り最近お気に入りのカフェラテを注文した。





「でも、本当に光君のこと諦められたの?」






注文し終わると唐突に奏子が聞いてきた。



その口調は責めてるわけでもないけど、どこか疑わしく聞いてるみたいだ。




「うん。ちゃんと諦められたよ。
だから愛巳の応援をこれからは2人でしようね」




自分で応援しようと言った時に、胸がズキズキと痛み始めた。





知らない。こんな痛み知らない。



私は大丈夫だから。




なんでもないから。







「本当に?愛巳には言わないから。本当の事言ってよ?」




奏子は心配そうな目で優しく言った。





そんな優しくされたら…私…




「うっ、うぅ…うぅっー」





どうしてか、自然と涙が溢れ出てきた。


お店の中でも関係ない。







どうしてこんなに苦しかったの?



どうしてこんなに悲しかったの?





「うん。ほら、そんな事だと思ってたよ」






向かいの奏子が優しく頭を撫でてくれて余計涙が溢れる。




自分に問いかけたら答えは全部返ってくる。

本当は分かってたの。



でも、ずっと否定してないものにしたかったの。




でも出来ない。



だって





私はまだ、光君が好きなままだから。



< 299 / 384 >

この作品をシェア

pagetop