君との距離は1メートル 【完】




全てを話し終わって、最後に言った言葉は

『どうしたらいい?』


になった。






分からないから。だから助けて。教えて。



正解を知りたい。










長い沈黙が続いているけど、奏子は一向に言葉を発さない。



やっぱり、最低だと思われてるかな。


人として駄目な奴だと思われちゃってるのかな?





考えれば考えるほどマイナスに捉えられる。



「そんなに…重く捉えなくてもよくない?」



「…え…?」




「だって、愛巳だって光君の家に行く事あるだろうし。そんなに心配したら、もう喋るとこも出来ないよ。

友達でもないじゃん」





さっきまでの重い空気はなんだったのか。

奏子が喋りだしたらもの凄く軽い雰囲気になった。




表情もあっけらかんとしていて
『何が駄目なの?』と首を傾げている。




「だ、だって!いくら何でも毎日会ってたら嫌な思いさせちゃ」

言いかけたところで

チッチッチ、と奏子は舌打ちをしながら人差し指と首を左右に振って私の言葉を遮った。




「もう!それが心配しすぎ!なら言うけど、愛巳なんて何回も光君の部屋に入ったりしてるはずー!杏奈はそれに傷ついたりした?」





そういえば…

従兄妹同士の光君と愛巳だからそんなとこ気にしなかったな。



「で、でも!それは従兄妹だから。私と光君は違うし」




そうだよ。従兄妹と思えるから私はいいけど、光君と私はそんな特別な関係じゃないし!








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