君との距離は1メートル 【完】
「んあーー!!もうっ!!杏奈はネガティブすぎ!愛巳はそんなに小さい女じゃない!」
いつまでもグチグチ言う私についに奏子は痺れを切らして立ち上がった。
突然の事に私はポカーンと奏子を見上げる。
「愛巳がそんなに弱く見える?愛巳をそんなに可哀想な子だと思う?同情される方が絶対嫌だよ! !」
「あ、う、うん…」
奏子は激しく言うとまた座った。
強く私の目を見据えて話し出す。
「杏奈よりも私の方が愛巳と長くいるから私の方がよく知ってると思う。
でも、ここ数ヶ月でもわかるでしょ?愛巳は強くて優しい子だって」
「それは、もちろん…」
分かってる。1番最初に話しかけてくれたのも愛巳。
光君を好きになってしまったのにちゃんと私の気持ちも認めてくれた。
優しくて強くて可愛くって誰よりも完璧な愛巳。
「私がバカだよね…。愛巳の事をまるで信用してなかったみたい…」
「バカじゃないよ。杏奈が優しすぎたの。……そんな優しいとこが大好きだよ」
奏子は優しく私を見つめて微笑んだ。
「そんな、ありがとう。沢山相談にのってくれて、奏子大好きだよ」
本当に大好き。こんなに沢山相談にのってくれた友達はいなかったもん。
奏子は少し頰を赤くして照れたように下を向いた。
「あはは!照れてる〜」
「も、も〜!」
からかうと奏子は恥ずかしそうに怒った。