君との距離は1メートル 【完】
奏子は視線を下げて少し表情を暗くした。
「私にも好きな人は…いるんだよ」
?!?!
これまた驚き!!
でも…奏子の表情から何か悩んでそう。そう思った。
幸せな恋してなさそうに見える。
「えっとぉ、誰…?って聞いてもいいのかな?」
知りたいのは山々だけど、なんか今までみたいにキャアキャア言って恋バナって感じではないよね。
奏子は視線を上げてジッと見つめてきた。
「ごめんね。言えないんだ。誰にも言えないの…」
こっちを見つめる奏子の目はゆらゆらと揺れていて、まるで奏子の心そのものを表してるみたい。
「うん。いいよ。でも応援するから!いつでも相談にのるからね?」
ぎゅーっと奏子を抱きしめて耳元で囁く。
私がいるから。今度は私が奏子の力になるからね。
「またねー!」
私は奏子に手を振って自分の家へ向かった。