君との距離は1メートル 【完】
ごめんねと仲直り
プルルルル…プルルル……
『はい。杏奈?』
「うん。今大丈夫?」
夜8時。部活から帰ってるだろうと思って愛巳に電話した。
『大丈夫!…どうした?』
愛巳の落ち着いた声に、なんだか見透かされてる気がする。
「あのね、今日光君の事諦めたって言ったでしょ?」
心臓がドキドキと音を立てる。
緊張する…けど、大丈夫。
『うん』
「でもね、私どうしても、やっぱり光君が好きなの。
きっと愛巳の方がお似合いだと思って諦めようと思ったけど…でもやっぱり好きなの。
嘘ついてごめんね」
ハァ、ハァ…。
早口で一気に喋ってしまった…。
『うん。分かってたよ。それに、私光にはもう振られてるんだ』
「…え?」
い、今なんて…?嘘でしょ?な、んで。
「うそっ、どういこと?!」
頭がついていかない。
振られてる?!愛巳が?!