君との距離は1メートル 【完】
「いや〜助かったよ。そしたら今からカーテン着けたいから手伝ってもらえる?」
笹野さんは段ボール箱をあさりながら俺に話しかけてきた。
「わかった。てか、部屋ここにしたんだ」
昨日は秘密とか行ってたからどこの部屋になるか分からなかったけど、隣の部屋だと思うと少し嬉しかった。
「うん!池田くんとせっかく友達になれたんだし、もとはといえばベランダのある部屋が欲しかったから、ちょうどいいかな〜って。…あ!あった」
笹野さんは段ボール箱から淡いピンクの桜模様のカーテンを取り出した。
友達…。笹野さんがここに来ての初めてだと思われる友達が自分で嬉しがってる自分がいる。
俺、キモイな…。我ながらそう思ってしまった。
「引っ掛けるやつそこに置いてあるからカーテンに付けておいてもらえる?つけ終わったら声かけて!その間私は別の方やってるから」
はい、はい、とカーテンとフックを押し付けられて笹野さんはまた机の方に向き直ってしまった。
本当にハツラツとした子だよな…。