君との距離は1メートル 【完】
「う、うん」
愛巳の激励にまだドギマギしながらしか答えられない。
『それとー』
落ち着いた声に戻った愛巳の声に耳をすます。
『本当は、すぐに話せば良かったよね。告白大分前にしてたの。でも言い出せなくて。奏子にも杏奈にもずっと嘘ついてた』
沈んだ声になった愛巳。
『そのせいで杏奈に気を使わせて、今日言えば良かったのに中々言葉に出せなくて。本当に最低でごめんなさい』
「あ、謝んないで!!」
きっと電話の向こうの愛巳が目の前にいたら頭を下げてる。
愛巳ってそういう人。
「告白してその後大分1人で悩んでたりしたでしょ?苦しかったでしょ?沢山沢山考えたんだよね?
私の方こそ、ごめんね」
大分前って…具体的にいつかわからないけど、ずっと1人で悲しんでたり苦しんでたりしてたはず。
やっぱり愛巳は優しい。
『もうっ、泣かせないでよぉ〜』
電話の向こうでズズっと鼻をすする音が聞こえた。
『もう切るから!しっかりね!』
「えっ、うんー」
返事をした瞬間にブツッと切られた。