君との距離は1メートル 【完】



どんだけ偽善者ぶってんの、私…。

本当は叶うといいね、なんて心から思ってもいないのに。



やっぱり最低だわ。





「…うん。ありがとう」



光君は少し眉を下げて笑った。



?どうしてだろう…。まさか!私の叶うといいねって、わざとらしすぎたのかな?!




「ところで、杏奈はクリスマスなんか用事入ってるの?」




「えっ!ああ」





光君の声に我に返って視線を戻す。


クリスマスは…

「うん。誠に誘われて遊ぶ予定なの」




「誠?」




光君の表情が少し暗くなってそう聞き返してきた。




「そう。まだどこで遊ぶとか決めてないけど。光君は?」






クリスマスだから、もしかして…

好きな子と過ごすのかな…?


胸のズキズキとした痛みは緊張と不安で強まるばかり。



「ううん。特に。そっか…。楽しんで」


「…うん」


光君の困り笑顔に若干違和感を覚えたけど、そう言ってくれるなら…

楽しまないとだよね。

とりあえず、クリスマスは光君は好きな子と過ごす予定は無さそうなので安心した。







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