君との距離は1メートル 【完】


「そういえば、池田君今日は部活とかないの?」


俺がカーテンにフックを通すのに手こずっているときに笹野さんが机に向かったまま聞いてきた。俺も手元から目を離さずに答える。

「うん。基本日曜は休みなんだ」


うちの学校のサッカー部は基本週6日間活動している。日曜日は流石にOFFだ。


「そっかー、運動部だもんね。大変そうだもん」


笹野さんはそう言って近くにあった段ボール箱をまたあさり出した。


「フック、とおせた?」


顔を上げた笹野さんは俺の方を見てきた。

「あと…一つ。……とおせた!!」


バッとカーテンを広げて見せる。なかなか綺麗に通せたぞ。


「ありがとー!そしたらかけようか!」


段ボール箱から離れてこっちに向かってきた笹野さん。

そういえば昨日は真っ暗くてわからなかったけど髪の色と目の色は少し茶色いんだな。昨日はもっと真っ黒く見えたのに…
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