君との距離は1メートル 【完】






そのまま昇降口まで行って、普段と変わらないどうでもいい話をして、フルート教室があるのでいつも通りバイバイと言って奏子と別れた。





トボトボとフルート教室までの道を歩く…けど、いつもより足取りが重かった。




奏子の恋を応援したいけど、できない。
奏子が終わらそうとしてるならそうするしかないのかな?

でも、もうすぐ叶うって、それを見てるだけって相当辛いはず。





ーーーやっぱり奏子も強いな…。





弱いのは私ばっかり。


どうしたら私は2人のように強くなれるのかな?





答えはいくら探してもない気がする。





「美春先生、こんにちは〜」



ドアを開けて靴を脱ぐ。



あ…あれ?



いつもはない男物の靴が綺麗に揃えられてある。




え、ま、ま、まさかっ!!!





「み、美春先生っ?!」




レッスン室までどたどた走っていきガチャっと勢いよく扉を開けた。




「あ、いらっしゃい。どうしたの?」




いつも通り美春先生のいるレッスン室…じゃない!!




「だ、誰っ?!」




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