君との距離は1メートル 【完】
「えっ?!勝手に…」
「違う違う。ちゃんと春馬に家まで送り届けさせるから。あ、あのボーイフレンドまでか。またね」
美春先生は楽しそうな声で手を振ってバイバーイと言ってくれた。
「ありがとうございました!」
今日の美春先生異常なくらいテンション高い??
勝手に開いたと思ったドアは外から遠野さんが開けてくれたものだった。
「あ、すいません。ありがとうございます!」
「いいの、いいの。家…よりあの男の子の方に行った方がいいよね?」
遠野さんはちらっと振り返った。
その視線を辿ると光君かこっちを見てる。
「あ、自分で行けますので」
恥ずかしい…。冷めたと思ってた熱がまた上がってきた。
「いや、ちゃんと送り届けるよ」
ぽんぽん、と頭の上に手を乗っけて遠野さんは笑った。
律儀な人だな。美春先生はこの人のこういうとこが好きなのかな?
「でも「いいからいいから!」
いいです、という言葉は遠野さんによって阻まれた。
「じゃあ、ちょっと失礼」
「えっ?!」
遠野さんがグイッと私の体を引き寄せた。
完全に予想外だったからよろけて遠野さんにもたれかかってしまった。
びっくりした!!
「あ、強すぎたかな?ごめんごめん。じゃあ行こっか」