君との距離は1メートル 【完】
急に慌ててふためく光君。
「え、うん。遅くなったからわざわざ送ってくれて」
「うわっ、勘違いした…。恥ずかし…」
光君は腕で顔を覆って隠した。
勘違いって…。何を勘違いしたんだ??
あ、私の彼氏だと思ったの?!
まぁ、あんな発言やっぱり誤解を招くよね。
「焦った。本当に…。良かった…」
「良かったの?なにが?」
さっきから光君は訳わからないことばっか言ってる。
全部独り言だし。
顔を覆うのを止めた光君はムッとした表情で私を見た。
えっ?!私何かした?!
オロオロとしてると光君がハアーーっとため息をついた。
「な、なに?!」
「別に。もう心臓に悪い。お願いだから今度は誰にも借りられないでね」
「え、うん…って、私、物じゃないから!」
光君までモノ扱いして。
光君を軽く睨む。
でも、パチパチと目を瞬いて私を見る光君。そのあっけにとられたような顔をされると、睨んでも意味がないんだけど。
「あ、そうくるか」
「え?どゆこと?」
光君も遠野さんも、男の人ってよく分からないとおもった1日になった。