君との距離は1メートル 【完】




「光に好きな人がいるって事も考えて」







きっと、私が光君に告白したら確実に振られるよね。




そう考えたら私、告白なんて…できないかも。





それに、誠ほど想ってくれる人を振ってしまっていいのかな?



相当な勇気で私に想いを伝えてくれた。

断るなんて酷いことしていいのかな。

一度ごめんなさいって言っちゃったけど、考えれば考えるほど自分がなんて酷い事をしたんだろうって思っちゃう。






「ただいま〜」





「あ、おかえりー」




いつもの2倍近い時間をかけて家に帰宅して自分の部屋に戻った。





そのままベッドに倒れこむ。



私はどうしよう。相手を傷つけずにごめんねと言える魔法を教えて欲しい。






ブーブーとケータイのバイブが鳴った。長いから電話だろう。




「もしもし…」





『杏奈?大丈夫?』




ひ、光君?!



ケータイの画面を見ると光君の名前が。


確認せずにでちゃった。



「どうしたの?」

なんでこのタイミングなんだろう…と思いつつドキドキしながら返事を待つ。




『今会えない?ベランダで』



「あ、大丈夫。すぐ行くから。じゃーね」




通話を終わらせて急いでベランダに出た。



「メリークリスマス」




「えっ、光君っ」



一歩外にでるとこっちのベランダに光君がいた。



数ヶ月前ならなんとも思ってなかったけど…

最近はベランダ越しに話してたから変に驚いてしまった。









「今日は誠と会ってきたの?」



「う、うん…」


誠の名前を聞いてドキッとしてしまう。
変に思われないようにしなきゃ。



「そっ…か。なんか、言われた?」





優しく聞く光君。知ってるの?
誠が私に告白してきたことを。


とりあえずこくっと頷く。




「…杏奈がここに来た時驚いたよな。まさかこんなに仲良くなれるなんて思わなかったし」




突然昔話のように語り出した光君。

私はとりあえず耳を傾けるだけ。

「優しくて、いい子だなって思ったよ。それに、誠と2人でいるとこみるのも腹立たしくなったりしてきて」




え…?



何言ってるんだろう?


キョトンとした顔を向ける私に光君は優しく微笑んだ。


それから一歩近づいて私を見つめる。




「つまり…」






少し頰が赤い光君。



一瞬視線をさ迷わせて、もう一度



ちゃんと私を見据えた。



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