君との距離は1メートル 【完】
「クリスマスの日にってか昨日告白されて…もちろん光君が好きだけど、誠だって想ってくれてたのにって思うと光君を選ぶなんてできなくて」
ポツリポツリと話す私を2人は静かになにも言わずに聞いている。
「だったら、2人とも振っちゃえばどちらかだけが辛い想いする事ないなって。公平かなって思って…」
私はそれだけ言って口を閉じた。
「…杏奈、ちょっと来て」
愛巳がガタッと席を立って歩き出した。
ついてきてるか確かめようともせず進んでいく。
私は奏子と顔を見合わせて駆け足でついていった。
愛巳の後についてきたのは、いつか愛巳が告白されてた渡り廊下。
「杏奈、馬鹿なの?」
クルッと振り向いた愛巳は吐き出すようにそう言った。
ギョッとして立ち止まる。
「なにそれ!それで全て丸く収まると思ってんの?!私の気持ちは?!考えてくれた?」