君との距離は1メートル 【完】
愛巳の気持ち?
どういうこと?
私は何も答えられずオロオロしてると愛巳はまた話し出した。
「光の好きな人が杏奈だって知ってて告白したの。光はちゃんと振ってくれた。理由をつけて。杏奈が好きだからごめんねって。
それを杏奈はなに?!好きなのにごめんねってどういうこと?そんな事だから本当の理由光に言えてないでしょ!」
「そ、それは…」
それは本当のことだ。理由を言ったら納得してもらえるわけない。ちゃんと分かってる。
「いい?誰かが傷付く事によって誰かが幸せになる。これは仕方ない事だよ。でも、傷付いた方は永遠に傷付くわけじゃない。
私だってもう吹っ切れてる。誠だってそんなに器の小さい男じゃないと思うけど?!」
今までにない愛巳の剣幕に私と奏子はただ驚くしかなかった。
「振るのは辛いよね。よく分かるよ。でも
そうする事で相手にも新しい道を作ってあげられるんだよ?」
少しだけ同情するような声で愛巳はそう言った。
そうだよね。可愛くて人気者の愛巳は色々な人から告白されて、それでもちゃんと断って光君を見ていた。