君との距離は1メートル 【完】
『部活終わったよ。今から会える?』
講習が終わって奏子と愛巳と教室で待っていると、誠からLINEが来た。
「うわっ!きた!」
「なんで奏子が驚くの」
愛巳のツッコミに奏子はあ、そっか…何てる言っちゃうし。
「じゃあ、行ってくるね」
「「行ってらっしゃい」」
私は駆け足で教室を出て誠の待つ昇降口に向かった。
「誠!」
見慣れた後ろ姿を見つけて声をかける。
「よっ」
昨日の誠より、いくらか表情の柔らかくなった誠がいた。
大丈夫。言える。
「考えたんだけど、私。やっぱり光君が好きなの」
今度はちゃんとまっすぐ誠の目を見て言えた。
「気持ちは嬉しいけど、本当にごめんなさい」
私は深々と頭を下げる。
これが私に今、できること。