君との距離は1メートル 【完】
杏奈の体を離してしっかり顔を見据える。
「俺と、付き合ってくれますか?」
まっすぐ、目をそらさないで真剣にきいた。
杏奈は驚いた顔をしたけど、すぐに涙をためた目を細めて嬉しそうに笑った。
「もちろん!」
お互い顔を見合わせて、ふふっと微笑んだ。
それからどちらともなく、
額を合わせてそっと呟いた。
「「大好き」」
君との距離は1メートルだったのに、いつの間にか0に変わっていた。
それはきっと、出会った瞬間から0に変わる時を待っていたんだろうね。
君との距離は0メートル。
おわり