君との距離は1メートル 【完】
「まじ?奏子ちゃんもよくそんな笑ってられるよね。大丈夫なの?」
須藤君の言葉にドキン…と心臓がうずく。
自分が隠していた感情をやすやすと見破られた感じ。
「あ、いや!なんか聞きかた悪かった!そーゆうんじゃなくて、凄いなって思っただけだから!」
私の表情が暗くなったからか、須藤君が慌てていた。
分かってる。笑っていられるんじゃなくて
笑ってないとダメなんだって。
私はそんなに強くないもの。
「…全然!本当に大丈夫!ありがとう」
それじゃあ、と言って須藤君との会話を終わりにして帰ろうと須藤君の横をスッと通った。
これ以上話してたら私…泣いちゃいそう。
「え、奏子ちゃん?!」
須藤君が勢いよく振り返りいきなり帰り出そうとした私に戸惑っている。
それでも私は知らんぷりしてスタスタと歩く。
「あれ?杏奈?」