君との距離は1メートル 【完】
私はピタッと電信柱の後ろで足を止めた。
「ちょ、奏子ちゃん!」
「シーーーッ!」
後ろから追いかけてきた須藤君に向かって口に人差し指をあててアイズする。
私はサッと電信柱の後ろに隠れた。
「何々?どうしたの?」
須藤君は今度は小声で話しかけてきながら私に習って電信柱の後ろに隠れる。
杏奈ーーーと、光君がいた。
勉強するのは、光君の家かな?
そういえばここが2人の家の近くだった事に気が付いた。
2人は何やら楽しげに喋ってるみたいだ。
坂の上の方に私がいて杏奈達は全くこっちを見ようともしない。
「あ、あの2人か。てかどうして隠れるの?」
須藤君も2人の姿を確認してから私に向かって聞いてくる。
どうして…。
そういえばなんでだろう?
杏奈に見られたくない。
なぜかそんな気持ちがある。