君との距離は1メートル 【完】
「でも、笹野さんは女の子なんだから。駄目だろ」
はぁーとため息をついた池田くんはこっちに来て
中入って
と言ってくれた。
あ、いいんだ。正直寒いから入りたいとは思っていた。
「女の子でも私みたいに男の子と変わらないような子もいるんですー!」
べーっと舌を出して私は勝手に池田くんの部屋に入ってしまった。
そういえば、男の子の部屋に入るのなんて初めてな気がする。
でも、不思議と緊張しないし躊躇もしない。
それは池田くんという人だからだろうか?それとも…なんだろうか?
「本当、笹野さん元気だよね」
はは、と今回2度目の池田くんの苦笑姿を見ることが出来た。
「まぁね、元気だけがとりえだからさ」
どーせ女の子らしくないですよ〜とひねくれながら私は口を尖せて言った。
別にいいけど。女の子にみられなくたっていいけど。
でも、心の何処かでやっぱりまずいかな…?と思わずにはいられなかった。