君との距離は1メートル 【完】
あんまりジロジロ見るのは失礼かもだけど…
ついつい本が好きな私は本棚に自然と目が吸い込まれる。
ちょっとだけ見るならいいよね?
見たいという衝動に負けてそこから立って本棚の場所に移動する。
本当に色んな本がある…。
ホラーからファンタジーからミステリー…
種類が豊富だ。池田くん、本読むんだ。
ふふっと、つい新しい池田くんをしれた気がして笑ってしまった。
「お茶だ…あ、笹野さん?」
ドアを開けて池田くんがお盆にお茶とコップをのせて入ってきた。
池田くんは本棚のとこに突っ立っている私を見て驚いた表情をしている。
しまった!!ついつい本に夢中になっていたよ!
えへへへ〜と目をそらしてアホっぽい笑い声をあげてみる。
「なんだ、本見てたの?べつにいいよ」
池田くんはなんともなさそうな顔でテーブルにお盆を置くと私の隣に立った。
「俺のお勧め、これね」
ああ、背が高いんだな〜と思いながら本棚から一冊の本を取り出す池田くんについ見とれてしまった。
本当にかっこいい顔してる。
全体的に茶色の色素が薄いかんじの目や髪が凄く印象的だ。