君との距離は1メートル 【完】
「うん。光とあたしはいとこでさ、よく遊んでるんだよね。うわ!ますます杏奈ちゃんと仲良くなれる気がしてきた!」
愛巳ちゃんは嬉しそうに池田君の話をしてきた。
「光とどうやって知り合ったの?」
とか
「光ってさ、林丘ですっごいモテてるんだよ」
とか
池田君の事については話題がなくならない。
途中で
キーンコーンカーンコーンとチャイムがなってしまい授業かな?と時計を見るとまだ8時50分だった。
予鈴、にしては早すぎやしないか?
「いつもは50分からが本当の授業なんだけど、多分先生が杏奈ちゃんのために9時から授業にしてくれたんだよ」
良い先生だよね、と愛巳ちゃんは教卓のところに座っている糸先生を指差した。
綺麗で優しくて、本当いい先生だな。
私、このクラスで良かった。とまだなにも知らないけどそう思ってしまった。
「ところで、いつから部活入る?」
「まだバタバタしてるから来週からがいいかな?」
勉強の事とか、学校の事もしらなきゃだし…。
「そうだよね。待ってるからさ!本当入ってくれて嬉しい」
愛巳ちゃんの偽りのなさそうな可愛い笑顔で私はまた癒された。