君との距離は1メートル 【完】
前の教卓に小走りで駆け寄る。
「うわっ!!」
「わあ!!」
ドスン、と前から来た男の子とぶつかってしまい急いで顔を上げる。
いてて…鼻が…。
「ごめんなさい」
180くらいある身長のある、さっぱりした顔つきの男の子だ。
着ている洋服はサッカーのユニフォームのようで、これから部活なんだろう。
「こっちこそ、ごめん」
男の子はそう言うと、それじゃと会釈して通り過ぎていった。
私は鼻をさすりながら糸先生のいる教卓まで来た。
「あ、笹野さん。今日一日どうだった?友達できた?」
「はい。細川さんと池田さんと友達になりました」
やっぱり今日の報告だ。
別になんも無かったな。
「そお!よかった!池田はクラス委員長だからなんでもきいて?また明日もよろしくね!」
糸先生はニコっと笑って教室を出てしまった。