君との距離は1メートル 【完】
「ただいま〜」
リビングでお笑い番組を見てると、お母さんの声がした。
「おかえり〜」
お母さんはスーパーの袋を手に持っていかにもクタクタです、というような顔をしてリビングに入ってきた。
「んもー、スーパーがどこだが分からなくて凄いさがしまわっちゃったー。疲れたから今日はお弁当ね」
鼻息の荒いお母さんはテーブルに袋を置くと中からハンバーグ弁当をだした。
「ああ、ありがと。もう食べちゃうね」
お弁当を持ってレンジのところまで行く。
ーーーチン!
とお弁当の温まったというアイズが聞こえて弁当をとりにソファから起き上がる。
「お母さんちょっと寝たいからお布団のとこ行くけど、適当にかたずけておいてよ?あとお父さん夜遅くなるから鍵は閉めないでね」
「わかった」
お母さんはそれだけ言うと自分の布団のある部屋に言ってしまった。
面白いテレビもないしな…。自分の部屋に行こ。
私はお弁当とお茶を持って階段を上がった。
自分の部屋に入り電気をつける。
ふと、レースのカーテンが掛かっているベランダの窓を見ると向いの部屋にも明かりがついていた。
光君、帰ってるんだ。
なんか…こんなに近いと何をやってるかばれそう。
てか、最初からわかってたことだけど今になって急に不信感が湧き始めた。
私はレースの上からまたカーテンを閉めてテーブルでご飯を食べ始めた。