君との距離は1メートル 【完】
「なによ〜そんなに杏奈が気になるのー?」
「どうしてそーなるんだよ。別に気にならないよ」
むすっとする顔でまだこっちを見ている愛巳。
「あっそー。まぁ、あんたみたいな人は杏奈なんかに相手にされないわよ」
いひひ、と不敵に笑う愛巳にムカついて手元にあったクッションを投げつけた。
「ぶふぁ!!」
見事にクッションは愛巳の顔に命中。
「あははは!!ざまーみろ!」
「はぁ!?やったわねーー」
口調は怒っていても、目は笑っている愛巳は俺に向かってクッションを投げてきた。
それを俺はひょいっとかわす。
「かわすな!!」
「はいはい、てかもう帰れよお前。飯の時間だろ?」
あっ!と言われて思い出したようで愛巳は目を見開いてケータイの時計を確認している。
「しまった。怒られる。じゃーね光!」
愛巳はいっぺんに言うとバックとパーカーを持って急いで部屋を出て行ってしまった。
急に静かになった部屋の中で俺はまたベットに寝っ転がった。
まだ7時半か…。