君との距離は1メートル 【完】
ーーーーーーーーーーカラカラカラ…
何かを開ける音で目が覚めた。
いつの間にか寝ていたようで、ケータイの時計を確認する。
9時か…。
1時間半ほど寝ていたようだ。
てかなんの音だ?外から聞こえたような…
俺はベランダの窓から外を見る。
すると、杏奈ちゃんがベランダに出ているのが見えた。
ああ、あの音はベランダを開ける音か。
そのまま見てると、杏奈ちゃんは海がある方向をじっとみていた。
なに見てるんだろ?やっぱ海?
好奇心が湧いて俺もベランダの窓を開ける。
「あっ」
音に気づいた杏奈ちゃんがこっちを振り向いた。
「こんばんは」
杏奈ちゃんが手を振ってこっちに体を向ける。
「何見てたの?」
俺はベランダに出て杏奈ちゃんの家のベランダ側に寄る。
「ああ、海だよ。ここら辺って星も綺麗なんだね。夜になるとベランダに出て星が見たくなるの」
月が隠れているせいで顔はよく見えないがきっとニッコリと笑っているのが想像出来る。
「そっか。今まであんまり星とか見てこなかったけど、ここら辺と都会の方じゃやっぱり見え方違うの?」
勝ってに都会といってしまったけどきっとこっちの方が良く見えるって言うんだから少なからずここら辺よりは都会に住んでいただろう。
「全然違うよ!!何倍もこっちの方が星が綺麗だよ!」
杏奈ちゃんが意気込んで言う。
「こっちの方がずっと良い所だよ。もちろん前のとこも悪くないけどね」
丁度その時、雲に隠れていた月が出て周りがぱぁっと明るくなった。
「そーなんだ。良かった」
嬉しそうに笑う杏奈ちゃんを見てついそう言ってしまった。