君との距離は1メートル 【完】
嬉しい約束 杏奈side
今日も海が綺麗だな〜。
まだ暖かい風に吹かれながら私はベランダに出て黒い遠い海を見ていた。
カラっという音がして光君の家の方を見る。
「あっ」
光君が窓を開けてベランダに出てくるところだった。
最近よく会うな。話し相手がいていいんだけど。
「そーなんだ。良かった」
光君がこっちをみて微笑んでそういった。
何故かそれが嬉しくて私もつられて笑ってしまう。
「私、光君と話すの楽しいな〜。まだ学校で仲のいい男の子とかいないし新鮮だよ」
別に男の子と仲良くなりたいわけじゃないけど、話せる男の子が光君ただ1人だと余計新鮮だ。
「てか、まだ友達も全然いないけどね」
愛巳と奏子だけしからまだ今日話してないし。もっといろんな人と話したいな。
「友達なんてすぐできるでしょ」
「うーん。だといいけどね」
光君は人気者だから簡単にそう言えるんだ。
とは言わないでおいた。